• クリティカルチェーン TOCによるプロジェクト・マネジメント

津曲 公二

PMとは?(日本カイゼンプロジェクト)
PMとは?(日本カイゼンプロジェクト)

日本カイゼンプロジェクト

筆者は、一般社団法人日本カイゼンプロジェクト(NKP)に所属し認定講師として活動しています。NKPの設立趣旨は日本の中小製造業をサポートするプラットフォームになることで、柿内幸夫会長は現場カイゼンのプロフェッショナルです。製造業の現場改善を通じて会社経営を革新していこうというコンサルティングを始めて25年もの年月が経過したそうです(NKPトップページの会長挨拶から)。
筆者は、NKP所属以来毎週「プロジェクトでカイゼン」という記事をこのサイトに連載しています。主に製造業の開発・設計に関してプロジェクト活動に関する話題を書いてきました。このサイトのメルマガ編集長からのお薦めでプロジェクトマネジメント(PM)とは何かについて解説記事を書くことになり先週アップされました。

プロジェクトマネジメントとは何か

筆者が会社勤務を辞めてPM業界で研修講師として20年以上になりました。プロジェクトという言葉は社会でごく普通に使われています。ある日上司から「この案件でプロジェクトマネージャーをやってほしい」と言われると初めてのことなら誰でも困りますね。しかし、社内の業務経験さえあればPMの知識はプロジェクトを進めながらでも何とかなる。こういうことを書くことにしました。

解説サイトは数多くあるが

研修講師を務めながら数冊の著書も出版しましたが、PMの技術的な要素などに偏っていたように思います。サイトにも様ざまな解説記事があります。まず感じるのは、あれもこれもやるべきという印象でした。勉強する、知識を増やすことが目的のようでした。通常の業務をかかえながらプロジェクトを兼務するのですから、勉強や知識獲得が苦にならない人はごくわずかでしょう。この観点から、筆者としては通常の仕事の進め方の延長上でPMを解説することにしました。

よくあるPM学習の落とし穴

プロジェクトマネージャーにとって必要なスキルと言うとじつに多くのことが語られています。リーダーシップ、コミュニケーションなどの他「人間力が全て」なども出てきます。筆者としてはどのようなスキルも「あったらいいね」とは思いますが、「必須である」とは思いません。資格試験にチャレンジする人もあります。これも会社から資格取得が指定されているなら別ですが、時間という資源の投資に見合うリターンを得るには最適なタイミングがあることを強調しました。
「理想のリーダーに欠かせない10か条」などを語る人もいます。これなど、ほとんどの職場で何らかの現実的な指標や目標になるとは思えません。

十分条件とはあったらいいね

何ごとにおいても必要条件(必須条件)と十分条件(あったらいいね)があります。プロジェクトに限りませんが、とかく必要条件はあっさりとしていて十分条件をこと細かく指示する上司や依頼主があります。プロジェクトでは「鶴のひと声」も聞こえてきます。鶴に助けられることも、その逆のこともあります。いずれにしても、プロジェクトマネージャーに欠かせないことは、様ざまな環境でともかくプロジェクトをうまく回していくことです。いざというときの究極の作戦も書いておきました。逆の鶴にお付き合いするときの心得として述べています。

契約について

スキルや人間力などよりも社外のプロジェクトの場合、契約はとくに重要です。プロジェクトの場合、開始時点からの変更はつきものです。PMでは「変更管理」という分野があります。途中での変更が発生することが前提になっているからです。製造業の場合、プロジェクト開始時期で合意した「確定仕様書」が絶対に欠かせません。わが国では契約についてはあまり注意をむけてきませんでした。これはじつにまずい事態になる可能性をはらんでいます。少なくともこれだけはやるべきという観点から用語解説として述べました。

プロジェクトマネージャーに求められるたったひとつの大事なこと

やろうと思えば誰でもできることとして「見える化」をとり上げました。製造の現場改善では常識となっていることです。筆者はこれを確実にやることが、プロジェクトマネージャーに求められる様ざまなスキルの不足をカバーする切り札的存在と考えています。「たったひとつ」と割り切れるほど重要な概念であるにもかかわらず採用は限られているようです。

これからプロジェクトマネージャーになる可能性のある方々にぜひ読んでもらいたいと思って書きました。読者の皆さまからの反響を期待しています。