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津曲 公二

充電中の日産リーフ(アトーチャ駅のレンタカー マドリッド スペイン)
充電中の日産リーフ
(アトーチャ駅のレンタカー マドリッド スペイン)

米国バイデン政権 排気ガスゼロ車の販売目標50%に

米国バイデン政権は、電気自動車など排気ガスを出さないクルマの新車販売に占める割合を、2030年に50%に引き上げる目標を発表しました。世界第2位の自動車市場も環境対策に乗り出すことになり、各メーカーは戦略の見直しを迫られることになりそうです。
EU(ヨーロッパ連合)が7月、2035年に事実上、禁止すると発表したハイブリッド車を含むガソリン車は販売を認めるものの、目標の達成に向け、電気自動車の充電設備の拡大や燃費規制の強化に取り組んでいくとしています。
(NHK NEWS WEB 2021.08.05 以下同じ)

世界で相次ぐ環境車目標

EU(ヨーロッパ連合)が7月、2035年以降の新車販売を、排ガスを出さない「ゼロエミッション車」にして、日本のメーカーが得意とするハイブリッド車を含むガソリン車やディーゼル車の販売を事実上禁止する方針を発表しました。

英国は2030年までにガソリン車やディーゼル車の新車販売を禁止し、2035年にハイブリッド車も禁止するとしています。

日本は2035年までに乗用車の新車販売をすべてハイブリッド車や電気自動車、それに燃料電池車などのいわゆる電動車にする目標を掲げています。

電動車とは 電気自動車とは何が違う?

まずシンプルでわかりやすい区分は排気ガスの有無がどうなのかです。

① 電気自動車(EV)・・電池とモーターだけですから、排気ガスはありません。電気を電池に充電するために充電スタンドが必要になります。

② 燃料電池車(FCV)・・正確には、燃料電池式電気自動車と呼ぶべきものです。電気自動車(EV)に、水素ガスを燃料にして発電する仕組みを追加したクルマです。排気ガスは水蒸気のみで有害な二酸化炭素などは全くありません。燃料である水素ガスを充てんするためにガススタンドが必要になります。

③ ハイブリッド車(HV)・・主としてガソリンエンジンに電池とモーターを追加したトヨタ独創の燃費を向上させたクルマです。燃料としてガソリンを使うので排気ガスとして二酸化炭素があります。ただ、燃費が向上するのでそれに比例して排気ガスも減少します。

電動車とはトヨタの定義

電動車とは、上記のすべて(①~③)になります。こういう呼び方は恐らく日本だけでしょう。ハイブリッド車で世界の市場を席巻したトヨタとしては、これをできる限り延命させたいためにこういう紛らわしい言い方をあえて使っているのでしょう。
ガソリン使用の有無で区分すれば、電気自動車かガソリン車か、といったシンプルな区分になります。そして、世界の自動車市場の潮流は明らかに電気自動車(EV)に向かっています。
市場の動向は消費者が決めるものです。世界のトップに位置するトヨタといえども、自社の意向で決まるものではありません。ついでに言うと、トヨタがこだわりをもつ水素ガスを燃料にする燃料電池車もこれを本命とする他のメーカーはありません。ハイブリッド車の延命や水素ガスへのこだわり、いずれも筆者からはトヨタの迷走としか見えません。迷走が暴走にならないうちに王道へ復帰し、わが国の自動車産業の競争力を維持してもらいたいと切望しています。

電気自動車をいち早く商品化し米国市場でチャレンジしているのが日産です。YouTubeチャネルEVネイティブからの情報を紹介します。

北米市場で日産の逆襲が始まる

日産の電気自動車リーフは発売以来52万台の販売実績がありましたが(2021年3月)、米国のEV市場でその記録をあっさり塗り替えたのがテスラでした。このYouTubeでは、テスラModel3やシボレーBolt EVなどと比較しながらモデル末期となる日産リーフの値下げ販売キャンペーンを解説しています。
クルマのサイズ的にセカンドカーとして比較した場合、シボレーBolt EVとは航続距離では劣るものの、リーフは連邦政府の税額控除(82万円)が受けられるため圧倒的な価格競争力をもち選択肢としてはリーフしか無いと評価しています。

参考 北米市場
EV登録台数(2021年1月~4月)
合計133,500(台)

1. テスラ 91,900
2. シボレー 13,600
3. フォード 6,100
4. リーフ 5,000

以下略

そして、このキャンペーンは単なるモデル末期対策ではなく、バイデン政権のEVシフト政策を前提に、来年、新商品として追加される日産アリア販売の布石とする意欲的なものだとしています。

日本最大級のバッテリー生産工場建設

EVにおける基幹部品となるバッテリーについて、英国サンダーランド工場に続き、国内向けに茨城工場を建設すると発表しました。今年発売のアリアや軽自動車のEVなど、日産のEV商品はわが国自動車メーカーの先頭にたっています。日産リーフは、発売以来バッテリーの自然発火事故など致命的なトラブル皆無という品質を維持しています。10年以上になるこのような他社には無い大きな実績を最大限に活かしてもらいたいと思っています。