• クリティカルチェーン TOCによるプロジェクト・マネジメント

津曲 公二

セビリアのスペイン広場(アンダルシア州 スペイン)
セビリアのスペイン広場(アンダルシア州 スペイン)

ツキダシが面白いスペインのバル

スペインのバル(居酒屋)巡りは楽しさいっぱいという筆者の体験をお伝えしました(第39回2021.02.01)。マドリッドのバル激戦地帯に行くと、どのお店もサービス競争です。ビールやワインを注文すると無料のツキダシが一杯ごとに必ずついてくる。杯を重ねると、そのたびに異なるものが出てくる。それはお店のメニューと同じもので量が違うだけ。4~5人で行くとツキダシの量は4~5人分ではなく10人分くらいになったりする!目分量というか、いい加減なのです。もちろんこういうアバウトなところは客にとっては大歓迎ですね。お酒に強い知人と二人でいつものバルに出かけたときのことです。二人ともそれぞれが10杯以上になっていた頃だったと思います。ツキダシが自家製の料理ではなく、何とポテトチップスでした!閉店時間近くになっていましたから、料理が無くなったのでしょう。それが潮時ということでお開きにしました。

なお、こういう美風はスペインならどこでもあるわけではなく、マドリッドでは「普及率」50%くらいではないかとのことでした。残念ながら、地中海に面したスペイン第2の都市バルセロナでは今まで全く体験したことはありません。

タクシーも割合に親切

わが国のタクシーで数年前までは、スーツケースなどをトランクに入れるのは乗客の仕事でした。最近はだいぶ改善されました。このあたりについては、スペインのドライバーは当たり前のようにやってくれます。料金についても、マドリッドでは空港から市内中心部まで固定料金(30€)になり明朗化されました。日本で言えば、スペインでは全て個人タクシーです。好きな音楽を流しっぱなしのタクシーもあります。筆者が初めて聞いて気に入った曲だったので、曲名を教えてもらい買ってきたことがありました。帰国後、スペイン語に堪能な知人に聞いたらバリバリのセビリア訛りの演歌ということでした。

百貨店、売店やきっぷ売り場はどうか

空港の売店でこんなことがありました。妻がショーウインドウの中に気に入ったストールを見つけました。あれが欲しいと言うとこれはどうかと別のオレンジ色を勧めるのです。妻が欲しいのはオレンジ色ではなく水色でした。ショーウインドウにある展示品を取り出すにはガラス戸を開けるため、ほんのちょっとだけ手間がかかるのです。オレンジ色のものは手前に並べてあるので手間はゼロ。つまり、販売するための仕事の手間を限りなく小さくしたいようでした。筆者が「なぜあれが売れないのか」と言ったらガラス戸を開けて取り出してくれました。妻が「たいへんありがとう」と最大級のお礼をしたら満面の笑みで返礼していました。決して意地悪ではなく、自分の仕事量の最小化を追求しているだけなのです。スペインではよくあることのようです。

デパートで「どこで売っているか」と店員を尋ねても「どこかあっち」との返事だけ、ということもありました。スペインの人たちはカトリック教徒がほとんどと聞いています。わが国には神さまが800万と限りなく多数いらっしゃいますが、キリスト教国のスペインでは神さまはひとりだけ。単なる買い物客が神さま扱いされることは無い、納得ですね。

新幹線のきっぷ売り場に行きました。窓口が20くらいあり、まず整理券をとってその番号が表示されたら指定の窓口に行く。すっきりしたモダンなシステムです。ほどなく、私たちの番号が表示され窓口に行きました。希望をつたえるとスムーズに入力していました。そこに同僚らしい二人がやってきて入力中の担当者に話しかけます。何か不具合があって担当者に相談にきたのかと思いました。しかし、どうも雰囲気はそうではなく単なる世間話でした。

世界制覇を目指した大航海時代の規律はもう無くなったようでした。神さまはひとりだけですから手が足りないのでしょう。明るいスペインの代表的な風景を満喫しました。