津曲 公二
コロナ禍を良いきっかけにしてテレワークが一気に進展するかと思われました。ところが、期待に反して停滞しているようです。西村産業再生相が次のように発言されたそうです。
テレワークが進まない理由
(2/21FNNプライムオンライン放映 2/18政府の成長戦略会議)
①社内ルール(の整備が必要)
②機材が整わない
これらについて西村大臣は「そんな言い訳は通じない世界(になっている)。これができないようでは(これからの経済)成長が見込めない。今できなくてどうするのか」と発言されたとのことです。確かにそのとおりですね。もちろん、サービスや製造の現場でテレワークができない職場はあります。そういう職場を除けば「そんな言い訳は通じない」のは100%正論です。もはや、テレワークの必要性を論じる時期は過ぎ一気に加速するときになっています。まずは「社内ルールの整備が必要」とは何かを明らかにしておきましょう。
多くの日本企業では職場のビジネススキルはその職場任せになりがちな傾向があります。つまり、本業のビジネススキルは職場によって大きなバラツキや偏りがあることが避けられません。これでは、ビジネススキルの伝承や進化は危うくなります。さらにテレワークとなると仕事の進め方において、丁寧な見える化など従来とは異なった要素が求められます。社内ルールの整備が必要とは、このような課題の必要性を物語っていると考えられます。これらの課題にアプローチするために従来からよく知られてきた「タイムマネジメント」を基本に、テレワークの進め方を紹介します。
タイムマネジメントとは時間の使い方を計画し実行することです。タイムマネジメントは、限られた時間で生産性を高め優れた成果を上げるためのやり方です。これまで職場では、上司(評価者)はあなたの仕事のやり方(プロセス)とその結果(成果物)、この二つが見えていました。テレワークでこれは変ります。評価者はあなたの仕事の成果物だけしか見えなくなります(場合によっては成果物も見えなくなります)。従って、成果物の重要性は変らないにしても、どういう適切なプロセスで仕事をしているか、そしてその見える化が必要になります。こういう前提をおくと仕事の進め方として、次のような重要ポイントが浮かび上がってきます。
ポイントをひとつだけとり上げると「見える化とプロセスのレベルアップ」があります。
これらをうまく進めるためには、次のようなヒントがあります。
テレワークのためのシステムもさまざまに販売されています。しかし、これまで述べてきたような仕事の進め方の重要ポイントが明確にされない限りテレワークはうまくいかないでしょう。逆にテレワークが仕事の進め方として定着すると、業務プロセスのレベルアップが実現することにつながります。