• クリティカルチェーン TOCによるプロジェクト・マネジメント

津曲 公二

老舗ホテル 朝食準備中のレストラン(デリシャス地区 マドリッド スペイン)
老舗ホテル 朝食準備中のレストラン
(デリシャス地区 マドリッド スペイン)

海も野も山もある故郷の町

筆者は鹿児島の田舎町で育ちました。野や山の産物に劣らず漁業もさかんで港の市場から毎日のように新鮮な魚類が届いていました。どういうわけか、筆者は生魚が苦手でした。父母と兄弟の7人家族で、筆者だけが苦手なのです。煮たり焼いたりすればいいのですが、ナマがだめなのです。いわゆる「ズケ丼」などの場合は、母は筆者だけに別のものをつくってくれました。しかし、家族の誰からも好き嫌いはダメと言われたことはありませんでした。中学校を卒業し鹿児島市にある県立高校に入学、通学するには遠すぎるので高校の構内にある寄宿舎で暮らすことになりました。ここはほぼ三食付でしたから、食べものに好き嫌いがあると不便なことにここで初めて気づくことになりました。しかし、生魚に手を出さない習慣は現在まで続いています。

事故の無い人生

高校卒業後東京で暮らすようになって、新年会でのことです。ビュッフェ形式で生牡蠣がありました。筆者は近寄りませんでしたが、他の皆さんは好物のようでした。そして、翌日、ほとんど全員が腹痛を起しました。ひとりだけ何とも無くケロリとしている人があると聞きました。ひと一倍食べていた人でしたが、生牡蠣ときわめて良い相性をもつ人だったのでしょう。
生魚を敬遠するとこのような事故は自動的に避けられます。和食で高い人気のある寿司屋に自ら進んでは行きません。しかし、招待される場合は確率50%で寿司屋になってしまいます。寿司ネタには、火を通したものもありますからそれなりに楽しめますが・・。

石器時代感覚のお寿司屋さん

苦手なネタはありますかと、あらかじめ尋ねてもらえると助かります。良い人たちです。そういう事情聴取が無いときは、こういうものは苦手ですと伝えます。すると、そう言わずに一度試してくださいと客の希望を無視して我流を押し付けるお店があります。もっとひどいときは筆者の正直な申告には何も応えず苦手なものを出すところさえあります。決して悪い人たちではないのですが、石器時代の感覚で生きている人たちです。お店が繁盛するリクツを学ぶ気が全く無く、ムダに二酸化炭素を排出しているだけの人たちです。よく学びお店が繁盛して世の中を明るくするように励んでいる人たちもあります。知人のコンサルタントから聞いたことを紹介します。

繁盛する料亭の秘密はシンプル

料亭はごひいきの常連さんで成り立っています。仕事上の接待に使いますから、招待されたお客の評価は重要です。コンサルタントが言うには、初めての人が帰ったあとが重要だそうです。その人が何を食べ残したか、つまり嫌いなものは何だったか、これをきちんと記録しておく。そして、次回の席では嫌いなものは一切出さないようにする。繁盛するには「必ずしも料理が抜群でなくてもよい」のだそうです。料理のレベルを上げることはかんたんではありませんが、お客の嫌いな料理を出さないことならやろうと思えば明日からできます。

人生の優先順位

仏陀は人生で大切なこと、その優先順位を次のように説いているそうです。まずは知識、よく学ぶことです。次に良い行い。信仰はその次、つまり第三位です。信仰は第一位ではない、これは興味深いことですね。繁盛する料亭の場合、よく学んでいます。そうすると自動的に良い行いにつながっていく。石器時代では文字は無く言葉も不自由だったでしょう。知識を得るために学ぶことは難しかったと思われます。現代のわが国では、その気になればいくらでも学ぶことができます。そうすると良い行いがどんどん身近になってくる、そのように感じます。