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津曲 公二

国宝 松本城(長野県 松本市 丸の内)
国宝 松本城(長野県 松本市 丸の内)

City of the Year

これは本来なら昨年末に発表すべきものでしたが遅れてしまいました。松本市はいぜんに仕事で出張したことがありましたが、このときは松本駅と会場である駅前のホテルを往復しただけでした。その後、妻が知人から「上高地は絶対にお薦め」と聞いて10年以上の空白をこえて出かけました。2020年10月はコロナ禍が始まったばかりでしたがGoToキャンペーンがありました。それから足かけ3年にわたって6回ほど訪問しました。今回は、松本市観光大使になったつもりで、これまでに本エッセーに掲載した記事を編集して松本市の魅力を紹介します。

国宝が二つもある

まずはお城です。松本城は戦国時代に造られた深志城が起源となるそうですが、わが国のお城で建設当時の姿のまま現存するもの12城のひとつだそうです(このうち国宝は5城、他の7城は重要文化財)。改修や修復はしているものの焼失や倒壊することなく、約400年間、当時の姿のまま残っているお城のひとつが松本城です。何と言っても北アルプスを借景にした雄大な景色はいつ観ても感動します。さまざまなイベントがお城の公園で実施されるのも松本市民の誇りになっているのではないでしょうか。1月に開催される「氷祭り」は夜間がメインのお祭です。昨年初めて出かけましたが、チャリティイベントなどもあり、コロナ禍の中でも多くの家族連れなどで賑わっていました。

二つ目の国宝は開智小学校

国宝に指定された由来や見どころを紹介します。

明治9年に完成した旧開智学校は地元の大工棟梁立石清重が設計した学校建築で擬洋風建築の代表です。文明開化の時代を象徴する洋風とも和風ともいえない不思議な建築は「擬洋風建築」と呼ばれています。注目すべきは正面の車寄せ、この一点に擬洋風が凝縮されています。八角の太鼓楼と寺っぽいアーチの窓、青竜の上に雲がわきその上に二人のエンジェルが「開智学校」の旗を掲げています。文明開化時代の日本一の小学校「擬洋風建築」を見学して見てください。
1961年から国の重要文化財として指定されていますが、2019年に国宝に指定されました。

新まつもと物語(松本市公式観光情報)から引用
開智小学校
開智小学校

造り酒屋と市中にある多くの水源

2020年に訪問したとき、市中に造り酒屋を見つけました。戸を開けて入ると気さくな感じの女将さんが応対されました。隣接する製造場も見学しましたが、楽しかったのはその後の試飲を交えた懇談でした。そこでつくっている様ざまなお酒の試飲ができました。そのうちのいくつかを購入しました。女将さんはお酒の話しかしないのですが、とても面白い。きっとこれが評判を呼ぶのでしょう。我われは初めての客でしたが、常連さんも多数あるようでした。初対面同士でも、お互いに客としてここでは何の抵抗も無く話が弾みました。それ以来、松本に行けばここに行って楽しい時間を過ごしています。

この店先に水源があってご近所の方は水汲みに訪れます。そもそも松本市はあちこちに水源があります。市内を歩くと小さな井戸が数多くあることに気づきました。高い山脈からの豊富な伏流があるのでしょう。わが国は山が多く平地が少ないと言われますが、山が多いので豊富な水に恵まれています。しかし、ここでは水源巡りができるくらい井戸が多いのです。水源によっては小さな鳥居があって神さまが祀られているところもありました。

観光都市

松本市の人口は約24万人で(2022年8月推計)、商業・工業のバランスがとれているほか芸術・教育の面でも特色をもっています。城下町の景観を守ることへの配慮もよくわかります。上高地やアルプス登山の観光客も目立ちます。少し足を伸ばすと山頂にある王ヶ頭温泉があり高山の絶景を楽しむことができます。また、日本全国どの都市でも観光用の循環バスサービスがありますが、ここではやや小さめで小回りの効くバスサービスがあります。訪れるたびに一日乗車券を利用していますが、休日などで進入禁止になるところもこれだと運行しているので便利です。しかしながら、筆者が特筆したいのは、ここに素敵なスペインバルがあることです。

スペインバル

松本駅付近にスペインバルとフラメンコスタジオがありましたが、いつも休業のようでした。あるとき、タクシー内で運転手さんからの情報で移転したことがわかりました。その日の夜、さっそく移転先に出かけました。地元の方が経営するホンモノのスペインバルでした。ワインはスペイン産のものが揃っていました。サービスも抜群で、オーナーとの会話が弾みました。オーナーをはじめとして従業員の方々でスペインに滞在修業しスペインの食材や料理を学ばれたそうです。また、オーナーはスペインの乗用車を所有されていました。2回目の訪問時に見せてもらいました。スペインのメーカーであるSEAT(セアト)社の年代ものセダンでした。運転してみませんかとのお薦めがありましたが、マニュアルミッション車でもあり辞退しました。クルマはともかく、スペインバルとしては、都心や横浜のお店などよりもはるかに上回る内容に大満足しています。
このスペインバルがあるので、いっそう松本市に出かけるようになりました。

松本市は筆者の自宅からJR最寄り駅を経て八王子から特急あずさで2時間で行くことができます。筆者の住む横浜市は人口300万を超える大都市です。松本市には大都市には無い風格あふれる個性的な魅力があります。