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津曲 公二

モンセラート修道院の教会堂に集まる信者たち モンセラート(バルセロナ カタルーニャ州 スペイン)
モンセラート修道院の教会堂に集まる信者たち
モンセラート(バルセロナ カタルーニャ州 スペイン)

さまざまな訪問者

筆者はずいぶんいぜんにクルマのセールスマンをやったことがあります。当時は戸別訪問が営業には欠かせないやり方でした。団地に行けば住居はたくさんありますが、留守も多かったように記憶しています。むしろ、工場地帯のほうが営業時間内に留守はありえないので、こちらのほうが効率的な訪問ができました。工場地帯の企業でクルマが無い企業はありませんから、クルマの営業訪問はごくありふれた存在でした。時には見込みのありそうな何らかの手ごたえがありましたから、訪問が顧客にとって迷惑ではなく有益なこともありました。

新興宗教の布教活動

現在、筆者は団地住まいですが、予期しないそして歓迎できない訪問者は多いと感じます。訪問者で最も多いのは新興宗教です。困るのは、前置きが長いことです。インターホンで聞くわけですが、布教活動とわかるまでに時間がかかります。先週の訪問者は、初めに「ものみの塔です」とあいさつがあったのでかんたんでした。この宗教は最寄りのJR駅前でも時たま活動がありますが、声かけやチラシ配布などはありません。興味関心の無い公衆に迷惑をかけないやり方です。

お巡りさんの巡回

地元の警察署からお巡りさんの定期的な巡回もあります。年に1回くらいのようです。先日の巡回訪問では、近所で発生した振り込め詐欺に関連しての注意がありました。いざ、その電話があったとき筆者がどのような協力ができるかを聞きました。犯人と我われ市民が対面することなく、犯罪撲滅に協力できるやり方がわかりました。丁寧な説明でしたが、最後に「くれぐれも無理せず安全第一でお願いします」とのことでした。

ガスや電気の点検サービス

これらは公共サービスでも重要な役割を果たしているだけあって、顧客訪問も実に細やかな配慮があります。そもそも定期的な点検を欠かさず実践していることがりっぱです。わが国の公共交通の定時運行も世界的に最も優れていますが、それらに劣ることなくガスや電気の公共サービスも世界最高レベルを継続しています。

ガスや電気の点検サービスでは、まず書面で事前予告があります。日程はもちろん時間帯まで通知されます。当日の訪問者は制服を身につけていますから、怪しげな感じはありません。
ガスや電気は単に供給されればよいだろうということではなく、事故やトラブルを未然に防ぐ点検の活動についても念入りに実行されています。

義母への怪しげな訪問者

まだ義母がひとり住まいだったときのことです。毎晩、妻が定期コールをしていました。その会話で「明日、知人の訪問がある」との内容だったそうです。知人にしては実名が無かったことが気になり、再度電話で確認しました。「どこそこで知り合ったらしい人」とのことで、30分ほど会話して「明日訪問する」との約束をしたと聞きました。ここまで聞いて筆者は思いました。その知人はじつは詐欺師でその悪巧みとしては、本日は下見(事前偵察)に来て「ひとり住まいとその本人」を確認した。あすは本番で何らかの悪事を仕掛けるつもりだ。夜も遅くなっていましたが、クルマで出かけ明日に備えました。

翌日午前中、詐欺師がやってきました。カバンをかかえてネクタイとスーツ姿はセールスマン風でした。高額な商品の購入契約をするつもりだったのかもしれません。義母ではなく、筆者が応対したことにぎょっとしたようで、名刺もださずそそくさと退散していきました。訪問者を撮影できるモニターカメラが玄関に無かったのが残念でした。今後の予防措置として、玄関の名札を2世帯居住の表示に変更しました。ひとり住まいでは無いと強調することでした。

言葉巧みに聞き出す詐欺師

電話であれ面談であれ、詐欺師は言葉巧みに重要情報を聞き出したり、被害者を振込み行動に誘導します。ひとり暮らしの老齢者で詐欺師に単独で対抗できない人にどう対策するか、なかなか難しいことと思われます。
少なくとも、怪しい電話には出ないという対策があります。よくある親族などからの電話は番号を登録しておいて特定の着信音にしておきます。そうでない電話はすべて普通の着信音になり、この着信音は「全て怪しい」という判断をします。

ドアを開けない

見知らぬ人物に対してドアを開けて招き入れることは詐欺被害を招く第一歩になります。ドアを開けずにインターホンだけなら何とかなります。スマホで警察に連絡することもできます。しかし、ドアを開けたら、怪しいと感じても退散させることはきわめて困難です。

最近、テレビなどで放映されている「不用品の買取りサービス」があります。自分でそこに電話するのであればまともな業者かもしれませんが、訪問してきた場合は、まず怪しいと考えることが必要です。「間に合ってます」と断るのが被害を受けないための正しい対応になります。

怪しい電話には出ない 見知らぬ訪問者にはドアを開けない

本エッセーの読者にお願いしたいのは次のようなことです。
危険予知の意識がまるで無い人たち、とくに老齢の人たちに多いようですが、親族や隣近所の方々にぜひ配慮をお願いしたいのです。「怪しい電話に出ない」、「ドアを開けない」などは極端な対策ですが、そのほうがかえってわかりやすいかもしれません。

振込み詐欺については金融機関やコンビニなどのスタッフの方々の協力で未遂にもちこんだケースが増えています。これは明るい話題です。そういうスタッフの方々だけでなく、犯罪を減らすために我われにも協力できることがあります。一見、おせっかいのようですが安全で安心な社会のために誰もができる貢献でもあります。