• クリティカルチェーン TOCによるプロジェクト・マネジメント

スペインが好きで何回か旅行している。マドリッド近郊に世界遺産のセゴビア水道橋がある。この石造りの水道橋はローマ人が2000年前に建設したもので、同国に現存するものとしては最大規模という。

橋の最上部にある水道を支える橋そのものは石を積み重ねただけで、セメントのような接着材は使われていないという。大きな地震がほとんど無い地方という条件もあろうが、当時のローマの土木技術水準の高さを示すものだろう。

ローマ帝国時代は水道橋に限らず、道路など多くの都市インフラが建設された。多くの遺跡が現存することから、土木技術と合わせて、マネジメントの技術も必須要素としてあったと想像できる。つまり、材料の調達・作業員の確保など、建設工事を支える段取りの体系である。仮にセゴビアの水道橋1箇所のみの建設だったとすれば、土木技術のみでも完成することはできただろうが、多数の遺跡の存在はこういうマネジメントの技術無しではありえなかったろう。

「仕事上手は段取り上手」、日本の仕事の達人たちが残した名言である。段取りの良さでは、我が国は世界トップクラスだったはずである。固有技術のみでなく、「段取りの良さ」ということについても、あわせて「技術」として磨いていく必要があると痛感する。お伺いする顧客のプロジェクト現場からの筆者の実感である。


津曲公二
株式会社ロゴ 社長