• クリティカルチェーン TOCによるプロジェクト・マネジメント

冨永 宏志

自由な感じのテレワーク環境
自由な感じのテレワーク環境

働き方改革を一気に推進

コロナ禍の収束が、まったく見えてきません。
症状を改善する薬やワクチンができるまで残念ながらまだまだ時間が必要でしょうね。一日でも早く朗報が届くことを祈っています。
しかし我々の生活を大きく変える災厄のコロナ禍ですが、「働き方改革」を一気に推進させたことなど悪いことだけではないのかもしれません。
筆者は、セミナー「進まない働き方改革のボトルネックを解消する!」の講師を2020年1月まで務めていました。昨年4月施行の働き方改革法に伴う難題の残業時間の罰則付き上限規制などは、今回のコロナ禍対策が、これをあっさり実現させました。
コロナ禍対策は、人と人との接触を7〜8割減らすことが重要とされ多くの企業が出社自粛したのですから残業は、ほぼゼロになりました。
また職住近接の手段であった仕事のテレワーク化は、東京都のテレワーク導入緊急調査によれば事業継続を目的に驚異的なペースで進み3月までの約2割から5月には約7割に達しています。
短期間での普及は困難と言われた時短、有給休暇確保などの「働き方改革」の難題を、わずかの間に解決してしまいました。

上手くいかなかったテレワークの試行

筆者は、生産管理を担当していた10数年前にテレワークを推進しようとしたことがあります。
当時の繁忙期では100時間超の残業をする多数の社員がおりました。また同じころワークライフバランスの実現が求められていました。
通勤時間片道1〜1.5時間の社員を対象として選び、テレワーク化で通勤時間の負担軽減ができると想定し試行を行ったものです。

しかし結果は、残念ながら芳しくありませんでした。
その理由は大きく2つです。

①テレワーク 勤務時間の取り扱い
勤務した時間をどのように給与に反映するかの制度が伴っていませんでした。

②テレワークを行う環境
ハード面としては、自宅に仕事とプライベートを分離し仕事に専念できる十分なスペースが無いこと、グループワークを行う仕組みが無いこと。
ソフト面としては、仕事を行うために必要な情報が全て入手できないこと、成果物の目標設定と成否の判断が困難なこと、グループメンバーとのコミュニケーションが不足し業務が上手く回らないこと。

同様の問題は、現在のテレワークでも、おそらく発生していることでしょう。

今後のテレワークはどうなるか

緊急事態宣言が解除以降、企業のテレワーク従事者も減少し出社人員は、約7割に戻っています。
(※日本生産性本部が緊急事態宣言解除前後に実施した「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査」より)
その他にもテレワーク化が困難な製造のライン業務や財政的に厳しい中小企業もあります。
さらに販売やサービス業なども、導入は難しいでしょう。
では、このままテレワークの進行は停滞してしまうのでしょうか?
筆者は、「進行を止めてはならない」と思っています。
実際テレワーク化の問題に企業では、さまざまな検討がされているようです。
例えば筆者の出身企業でもウィズコロナ下の勤務制度をどうするのか議論され、制度改定が順次進んでいます。
またグループワークが困難といった課題もスカイプやZOOMといった新しいコミュニケーションツールが次々に提供されていますし、今後も大きく改善していくでしょう。またテレワークだけで仕事をするのではなく効率よく出社と組み合わせる考えもあります。
情報取り扱いは、テレワークを行う環境、例えばダイニングテーブル、鍵付きの書斎、サテライトオフィスなどの場所ごとにセキュリティ条件を定めた情報の明確化で対応することなどです。
制度改定、効果的なツールの導入、使える情報の明確化によりテレワークでの仕事の適用範囲が広がるはずです。

テレワークを進行させよう

コロナ禍は、第二波が落ち着き始めてはいますが、9月3日累計感染者が7万人を超えました。
感染は、第三、四波と繰り返し発生し、そのたびに人と人との接触を減らすことが求められます。その都度ごとの対応では企業活動の継続が困難になるのは明らかでしょう。
コロナが終息することは無く、コロナと共生する社会にならざるをえないのだと思います。
筆者は、「良いことは必ず実現する」ことを信じています。
例えばテレワークを多くの業務へ適用拡大する、コミュニケーションを考慮し週2日の出社と併用するなど、さまざまな施策を考え実施することでウィズコロナ下であっても業務を円滑に進める仕組みになると思います。

ぜひテレワークを進行させましょう!